転職の事前準備として、転職活動の計画を立てることから始めましょう。
転職活動を行う時期や退職するタイミングなど、スケジュールを立てるためのポイントや疑問をわかりやすく解説。
転職活動の時期に迷っているという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
保育士転職はどれくらいの期間がかかる?
実際に保育士の転職には、どのくらいの期間かかるものなのでしょうか。
転職活動では、
- 求人を探すためのコンテンツ探し&利用手続き
- 求人検索や応募書類等の準備
- 転職希望先への応募
- 応募結果待ち
- 面接日程の調整
- 面接
- 面接結果待ち
- 内定
- 退職手続き
と様々なステップを踏む必要があります。
厚生労働省が行なった転職者実態調査を見てみると、
(出典:平成27年転職実態調査の概要より)
転職期間(転職活動開始から現職を離職するまでの期間)は、1ヶ月以上3ヶ月未満だった人が27.2%と最も高い割合となっています。また6ヶ月未満の割合を合わせると、全体の約6割を占めていることがわかりますね。
全業種を対象にした調査ですが、保育士転職についても同様の期間がかかると考えるのが妥当です。
応募の結果を待つ時間なども鑑みて、転職活動期間は平均で3ヶ月ほどと考えておきましょう。
ただ、転職活動は早めの行動することで、転職先の情報をじっくり検討できるといったメリットも。
転職活動期間は3ヶ月~半年を目安にし、情報収集などできる準備を早めに行えば、余裕を持った活動に繋がります。
転職にかかる期間から逆算して、活動計画を立てるのが良さそうね
転職活動スタートのベストタイミング
転職活動をスタートさせるのに一番いいタイミングはどこなのでしょうか。
保育士の求人数が年間でどのように推移するかをチェックして見ましょう。
(出典:一般職業紹介状況(職業安定業務統計)(厚生労働省)より)
厚生労働省がまとめた保育士の有効求人倍率によると、毎年保育士の求人は9月頃から増加し、1月にピークを迎えます。そして3月に向けて緩やかに減少する傾向にあるようです。
求人が増加するタイミングに合わせて、スケジュールを組むことが望ましいため、少なくとも1月前には、転職活動をスタートさせましょう。
転職活動をスタートさせるベストタイミングのおすすめは、「6月」と「10月」。
6月は入園・年度始めや遠足行事が過ぎるタイミングで、10月は秋の運動会シーズンが終わりを迎える時期。
ポイントは、保育施設のイベント行事が比較的落ち着く時期を狙うこと。
行事が少ないシーズンは、休みの申し出もしやすく、転職活動に時間を費やせるチャンスだからです。
6月であれば、有効求人が増え始めるタイミングに合わせて、十分な準備が可能。また10月は、まさに有効求人増加期間へ突入するジャストタイミングと言えるでしょう。
入職は、年度始めの4月を目指すとよさそうだよ
そうね!入職が4月になるよう、スケジュールを意識したいところね
辞めてから新しい職場を探す?働きながら転職活動する?メリット・デメリット
いざ転職活動を行おうとするとき、最も悩むのが転職活動を「働きながら行うのか」はたまた「仕事を辞めてから行うのか」というところ。
働きながら転職活動をする場合のメリットとデメリットについて考えてみました。
メリット
転職活動中でも収入が安定
転職活動では、転職先が決まるまでに様々な支出が発生します。
例えば、
- 応募書類用紙や送付用の封筒購入
- 履歴書添付用の写真代
- 面接用の衣服代(リクルートスーツ、バッグ他)
- 交通費(面接先や説明会などの移動時)
- 通信料(携帯代、インターネット代)
などです。
無料の就職支援サービス(ハローワークや転職エージェント等)を利用したとしても、このような実費支出は発生します。
働きながらの転職活動では、安定的な収入があることで、転職のために使う費用を捻出しても貯蓄を切り崩す心配がありません。
離職期間が発生しない
現職と並行して転職活動を行う場合は、転職先の決定と同時に現職の退職手続きを進めることになります。
転職の面接において、必ず聞かれる質問が「退職(予定)理由」と「離職期間」についてです。
退職してしまうと転職先が決まるまでが離職期間(=失業期間)となり、期間中の活動内容をきちんと面接で伝える必要が出てきます。また離職期間が長くなることは、面接時の印象を悪くしてしまう場合も。
一方、働きながら転職活動を行えば、基本離職期間はなし。面接時のマイナス要素になりやすい離職期間の発生を防ぐことができるのは、転職活動の大きなメリットになります。
転職時のアピール材料を増やせる
保育士の仕事は、経験で培われるスキルがたくさんあります。
保育士として働き続けることで、毎日現場から得られる経験を現在進行形のアピール材料にすることができるのです。
仕事をしながらの転職活動は、大変な場合もありますが、1日1日の積み重ねが転職へプラスに働く貴重な時間になります。
デメリット
時間調整が大変
1日は24時間という時間しかありません。
現職中は、1日の大半を働いている時間へ費やせざるを得ないため、退職して転職活動を行なっている人に比べ、転職活動に割ける時間が圧倒的に少なくなります。
転職活動は、地道な準備や下調べなど、意外に時間がかかる作業が多く、時間が足りないと感じてしまうかも。
またせっかく面接のステップまで進んでも、先方の意向と仕事のスケジュールを考えてからの日程調整は大変と感じる人もいるでしょう。
疲れる
転職活動の求人検索や自己分析・書類作成などは、丁寧に行う必要があるため、神経を使います。
通常の仕事をするだけでも、様々なストレスを抱えてしまう上に、転職活動の作業が加わることで、疲れを重ねてしまいがちです。
現職と転職活動を並行して行う場合は、作業を分散したり、ストレス解消をいつもよりこまめに行うなど、対策を講じることが大切になります。
メリットデメリットのまとめ
働きながら行う転職は、時間に余裕はないが、生活に余裕は持てます。
一方、退職してからの転職は、時間の余裕はあるが、金銭面の余裕はなくなると言えるでしょう。
時間だけで見ると、退職して転職活動を行う方がいいように感じますが、個人的には、在職中に転職先を決める方がおすすめです。
なぜなら、時間の余裕は、転職活動の進め方を工夫すれば効率よく行うことができるから。
それよりも金銭や生活面での不安は、心の余裕を奪い、転職先の選定に悪い影響を与えてしまいます。
ただし、退職後の転職活動は、フットワークが軽くなり、チャンスを掴める可能性が増えるのも事実。
自分にはどの方法が適しているのかをじっくり考えた上で進めてほしいと思います。
退職後の転職活動は、離職期間との勝負になりそう
現職と並行する場合は、効率よく転職活動を行うことがポイントだね
辞めると報告する時期は?退職の1ヶ月~2ヶ月前
現職中で転職活動を行っている人は、今の職場に「退職」の意思をいつ伝えるのか迷うところだと思います。
中には、退職することを伝えてないのに、転職活動を行うことに心苦しさを感じる人もいるかもしれません。辞めることを伝える時期について考えてみましょう。
スムーズな退職手続きに繋げられるかが、大きなポイントになります。
これには、規則に則った意思表示と引き継ぎが重要です。
厚生労働省の資料では、
あらかじめ契約期間が定められていないときは、労働者は少なくとも2週間前までに退職届を提出するなど退職の申し出をすれば、法律上はいつでも辞めることができます(厚生労働省「知って役立つ労働法 働くときに必要な基礎知識」第5章より)
とされています。
しかし、これはあくまでも法律で決められたもの。
各法人で定められている規則(就業規則や雇用契約書等)で、退職予定日から見てどのくらい前に申し出を行えば良いかを事前に確認するようにしましょう。
一般的には、退職予定日の1ヶ月前と定めているところが多いようです。
また、規則の定めだけでなく、担当業務の引き継ぎ期間も算出した上で、申し出のタイミングを計りましょう。
そうすれば、退職する側もされる側も余裕を持つことができます。
まとめ
保育士の資格を活かして、転職を決意したならば、まず転職活動のスケジュールを立てることが最初のステップです。
転職活動の期間やスタート、退職の申し出タイミングなど、きちんとスケジュールを立てることで、今何をすべきかが明確になります。
目標が定まると、心に余裕を持つことができ、転職活動にもいい影響を与えてくれるうえ、円満退職にも繋がります。
やるべきことを整理できれば、あとは転職という未来に向かって前進しましょう!!